寝た子を起こしてしまいました

778aea99.jpg「舞方雅人の趣味の世界」から来てくださった方もおられると思いますが

私が描きかけてそのまま眠っていた黒薔薇女さんを元に

お話を書いていただくことになりました。

黒薔薇なのにレッドアイという名前が素敵だなと思います。



眠っていた絵は舞方さんの方で公開させていただいておりますが

こちらの方は急遽Enneさんの作に合わせてラフを描かせて頂きました。

Enneさんどうもありがとうございます~



[告知]

海の向こうは韓国の洗脳サイト様とリンクさせていただきました。

ベルクルド様運営の「ベルクルドの洗脳研究所」です。

どうもありがとうございました~

































「レッドアイ」




汲んで、くだ、さ…ぃ

あふれ あふれて


きり くり くろり

くり

くろり


早く

はや は やく


きり くり くろり

くり

くろり


きりり きり きり


汲み上げて

早く

くみ くみ

汲み上げて


でないと

もう もう


あふれ 溢れて こぼれそう


きり きり

ふつり


くろ くり ぷつり


生えて 絡んで 絡んで 生えて

くろり くり きり


締まって

絡んで


あふれ あふれて

あふれて 溢れて


きり くり ふつり

くり

ふつり


くみ くみ 汲んで

汲んで下さい

いつものように


汲んでください

いつかのように


でないと でないと こぼれます


でないと でないと 壊れます


それとも

こぼしてよいのでしょうか


それとも

壊れてよいのでしょうか


もしや

それを お待ちでしょうか


きり くり くりり

くり くり くろり

締まり しまって 締まって

ふつり ふつふつ ふつ ふつ ぷつり


肌にふつりと


刺さります






「佳穂里」




あ、やはりこちらにいらっしゃった

おはようございますシスターローゼ


え? 何故ここにいるのが分かったのか、ですか

だって、いつも、この薔薇をお世話して…


不思議な色ですね?それに名前も、ええ、名前も…黒薔薇なのに…レッドアイなんて


そう、それだけ全部話せたら、朝から天にも登れるのに


できたのは


薔薇に向けられていたシスターの不思議なほど真剣なお顔が

そろり、私に向けられて、ほんの少しだけ、こちらに焦点をあわせるように

天上のどなたかとの語らいから降りてらっしゃったみたいな、

それとも私の目の前で、いまお目を醒まさられたような、そんな表情をされてからふわりと浮かんだその微笑

それになんとか一礼を、お返しできた、それくらい


全寮制のこの学院、わたしは好きな場所だけれど、数人いる寮監を兼ねたシスターの中でも

シスターローゼは、すこし、他の方とは違っていらっしゃる


わたし以外の学院生にもシスターローゼの人気は高い

何故かしら、

勿論一番お若くて、わたし達と年代が似通って、それが一番、そう思う

だけれど、もっとわたし達が惹かれる部分

きっとそれは、シスターローゼが時々見せる、あの表情


そう、どこか寂しげで儚げで、ええ

去年、シスターローゼが事故に遭われて、うん、しばらく失踪ではなんて言われていらしたあのあと

そう、シスターは、外出をされた時、どうやらひき逃げか何かに巻き込まれてしまったらしくて

数日行方不明になられたあと、学院近くに意識をなくして、倒れていらした


すぐ病院に運ばれたのだけれど、結局、その間の記憶が曖昧でいらして

わたし達も、ずっとご無事をお祈りしていたから、なにより、シスターがお帰りになられた

ただそれが嬉しくて、だからそのあと、時折ふぃとお見せになる

あの寂しげで、儚げなそんな表情も、わたしのようにシスターローゼに憬れる娘には

むしろなにかが掻き立てられる、そんなことになっている


レッドアイ…


シスターローゼがその時に、それだけ抱えて倒れていらした、不思議に黒い、黒い薔薇


噂では、昨年花を咲かせたのだそうだけれど、誰も、自分が見たって言う人には会っていない

天鵞絨(びろうど)のような艶めいた厚い花弁が幾重にも幾重にも、硬くきりりと窄まった

そんな蕾はわたしも目にしていたけれど、明日には咲く、そんなそぶりを見せた次の日

レッドアイの花は散り果てて、古びた温室の土を黒々と、分厚く覆っていたのだった


だから、今年、シスターローゼもわたし達も

レッドアイがほころびるのを、皆、息を詰めて見守っている








「亜依子」

わたしは罪びと

ひとり 幸せを この身に招こう、そうしたのだから

だからこうして

烙印を、この身に宿して


烙印


それは徴、選ばれた者に密かに捺される、罪の徴


だから、選ばれた、呼ばれた者の、密かな誇りと、恍惚が

わたしを熱く燃やして、溶かす


あと少し、少しの時間を、だから私は過ごさねばならない

この、もう今は重いこの肉に囚われて過ごさなければ


それが私の罰


許しを得られるそれまでの時間がわたしを燃やし尽くすまで

まどろみの、厚ぼったくてとろとろと、わたしを溶かす眠りの坩堝(るつぼ)がぱきりと裂けてはぜるまで

そう、あの方がわたしを呼んで、起こすまで


それまでは





「佳穂里」



そろそろと歩く廊下、ここは静か、静か過ぎる、そうも思うけれど

たまさか、かすかに級友達のさざめく声が聞こえたり、

建物の陰、ドアの向こう、密かに語り合っていたり、見詰め合っている そんな二人がたまにいる気配

それくらいしか漂ってこない


ここはそんな場所、むしろ、学園というよりも、何かの遺跡か、墓場、そんな気がすることさえある


そんなこの場所で、守られた繭の中のようなこの場所で、触れ合う友と、ことさらに距離を置くのか

それとも、何かの代わりのようにして、ぴたりと密着する関係を作るのか


わたしは、どちらも好きでない

そうおもっていたけれど、けれどそう、シスターローゼ、あの方が学院にお戻りになった、その日から


ええ、あの表情を見てしまってから、わたしも、シスターのお姿を、どこかでそう

いつも追うようになっている


わたしも、皆と変わらない、それと認めるには少しだけ時間が要ったけれど


外で普通の娘たちが得るはずのもの、それのミニチュア、カリカチュア

そう呼ぶのには、少しだけ大きい感情

そう想いもするけれど、わたしは今日も、シスターのお姿をどこかでやはり追いながら

とある級友の姿に気がついた


ゆらゆら揺れる、ふぃとどこかに消えそうな、そんな気がするあわい影


そう、わたしより、もっと先からシスターのお姿を追う

ううん、シスターのむしろいつも傍にいた、そんな娘の一人だったはずのその人が

そういえば近頃は、シスターの周りにいないことを

むしろそれを忘れていた事のほうが不思議だったのかもしれない


『…亜依子さん……』


その人は、先ほど、シスターローゼが出て行かれた

あの温室に、ふわり、するりと消えていった




きり くちり くり きり くろり

きり くろり

 くろり きりりと締まります


ふつ ふつ ふつり

きり

くろり


刺さって 締まって


溢れます


汲んでください この場所で


汲まれれば


わたしが咲くはず 咲けるはず


きり くちり


きり


ふつ ふつ ふつり


やはり 壊れて こぼすまで


それまで 汲んでは 下さらないの


もう


溢れ こぼれて


こぼれ

溢れて







「佳穂里」




追ってしまった、級友の姿

昼間、学院のほとんどの施設には鍵はかかっていない

それを外部の人ならば、流石は****女学院、生徒を信頼している、だとか

閉鎖された、ここでは、そもそも事件などという人もいるかもしれない

わたしにはむしろ、偽善とも見えるけれど、それはともかくわたしもそれを幸いに

級友の姿を追って、何故だか、こそりと入り込んだ


立ち並ぶ鉢や、吊るされた籠、そして、背の高い草花

息を詰めるようにして戻ってみると、改めてこの場所に満ちる草華の気息がわたしを少し息詰まらせる

区画された草花が作る迷路

その傍ら、わたしは級友の姿をやはり姿を隠したままで、そっとそっと見つめる


ゆる、ゆらり 見詰めるこちらが目まいを起こしそうなほど、柔らかな波が級友の細い身体を揺らす


そして、お祈りでも、と見えるようにそれまで身体の脇で揺れていた彼女の両手が前へとあがってゆき

するり ぱさり

彼女の身体を包んでいた柔らかな色合いの、そう、私の身体も包んでいる

制服が、タイが、ブラウスが、白い花芯を飾る花弁のように

かさ ぱさ くたり

彼女の裸身を中心に、その場に重なり落とされて、最後に白く柔らかな布が落ちてしまうと

血色の薄い立像が、たった1体、ゆるゆらゆらりと揺れている


みり


目の前の朧に揺れる姿に頭を冒されたわたしの耳が産んだ幻聴だったのかも


けれど、そんな音がした、ううん、わたしにはそんな音が見えた気がした


くびれた腰 細いけれどもまろく張った双球 

その下に隙間も無く伸びた静脈まで見えそうな細く清らで長い肢 それを支えるその踵、そう左側の踵の外側


そこに緑の何かが見えた、白い肌を、緑の何かが食い破ったとそう見えた


そう思った次の刹那


みり みり みり と緑の蔓が伸びだして


『あれは…薔薇、薔薇の蔓?』


離れたここでも、その蔓に、牙のように生え揃った棘がはっきり見える、その、その蔓が


くるり 左の肢を

踵 ふくらはぎ 太腿を ぐるぐるぐると巻き上げてゆく


やがて蔓はかすかに揺れる白い立像が先ほど失った飾りの、守りの代わりを果たそうというように

立像の後ろに見える双球を細い腰を、そしてこちらからは見えない胸を覆いつくし蹂躙すると

そのうちどこかで二つに分かれたらしく、胸元へとまだ残されている右腕を戒めたかと思うと

突然もうひと端、いえ、もうひと群れがうなじに現われてぎりぎりぎりと

ああ、そういう音まで聞こえそうなほど、彼女の顔を頭を戒めた

白い立像、いえもう今は蔓がその身を半ば覆ったその姿に残されているのは左手と右の肢そして左の肩ばかり


ゆらゆら揺れるその姿からすぅすぅと息が、それからなにか意味ある音が聞こえてきて

思わず聞き入ったその音群れの中からわたしは幾つかの言葉を聴いた


「…とぅ、ありがとうござぃ…ます…すたー」


呟きにも、祈りにも聞こえる声


「あぁ…」


それから、それからあえかな吐息がことりと落ちる


ごくり


そんな音が漏れなかったかしら

そう思うくらい、目の前の光景は綺麗で、不気味で、そして清らで禍々しく、そしてそして…


まるでまるで薔薇と、薔薇と愛を交わしてそう見えて


私の頬は染まっている


そして


かつ こつ ことり


柔らかな靴音がして視界の中に現われたのは…


シスターローゼ


息を飲んだ視線の向こう、シスターのお顔にはわたしに先ほど注いでくださったあの微笑

いいえ、それよりもっと、もっと

たおやかで優しい慈愛の微笑が浮かんでいて

シスターの前で起こっているありえない光景を眼にしていながらそれだのに

わたしは、わたしはシスターにその笑みを浮かばせるものに嫉妬を覚えた


そして

ゆるゆら揺れる蔓薔薇の化身は、シスターローゼがそっと広げた両手の中に吸い込まれて


初めて見えた先ほどまで亜依子さんだったモノの顔は後姿から想像していた通り

口元以外は全てが蔓に覆われて、戒められていて、痛々しさに、とてもとても正視に堪えられない

そう、普段のわたしならきっとそう

だけど、もう私の視線はわたしの意思の手綱を離れてしまってこれから起こることを

いいえ、起こって欲しくない事を、起こるかもしれないそのことを、ただただ見つめるそれしか出来ない


それから、それから…


亜依子さん、いえ何か別のモノ?いえ、もう私の頭ではなんだかもう

そう、その、モノのかすかに開いた唇がシスターの真珠に光る唇に近づくと

もう息まで忘れ果てた私の前で亜依子さんだったモノの唇から吐息と一緒に光の帯が

するするするりと伸びて行きシスターの唇の中へと消えて行く


蔓薔薇の化身はシスターのかいなの中でぴくんと跳ねて

そうして

ふたりの唇が微笑に飾られると、ふたりは長い長い口付けを交わした


ふくれあがるもの


くろいくろい 何か


恐怖より 恐れより もっともっと…


その大きさに耐えられず返した踝 けれど


「行かせないわ、見ていたんでしょう」 背中から届く 級友 だったモノ の声

その途端、あたりの 周りの 樹が 草が 花が 芽が いっせいにわたしに敵意を向けてきて

そう、わたしを拒む わたしを阻む そんな気配がまわり周りに満ちて


ざりっ


ヘンリーヅタがシッサスが目の前に、か細い、けれど懸命にわたしを阻もうと必死に伸ばす蔓の線


蔓を持たない丈の低い草花でさえ そこを動かないそのままでわたしを懸命に拒んでいる




しゅり ひた ひたり

ひた しゅり ひたり

何かがすれるのか、私の背後から聞こえる声の主の足音


「見ていたのね、ううん、見せてあげたくて、見せたけど、だから佳穂里さん、あなたのしずくを

 佳穂里さんの命がこぼす雫をわたしに、いえ、見たでしょう

 わたしがそれを、そこにいらっしゃる、ね、わたしが濾して、清らにしてそれを捧げてあげるから

 ね、だから頂戴、ね、ね?」


掴まれた心臓

身動きも、恐怖の声も上げられない


近寄る気配、そして


ずる そろ ぞろり


立ちすくむ私の左右から棘ある蔓がわたしの視界を覆い始める


けれど


「おやめなさい」


柔らかなお声がやはり後ろから通ってくると


する ずる する


一瞬の躊躇があったかのように宙で止まった棘ある蔓がするりぞろりと後ろに引いていく


「いいのよ、もう、亜依子さん

 驚かせてしまったわね佳穂里さん、さっき貴女が見たとおり、わたしも 亜依子さんも、もう人ではないの

 でも今夜ここを二人で離れるから」


「えっ?」


驚いたのは、二人が人でない、そのことではなく

そう、シスターがここからいなくなる、むしろそのこと


驚きに思わず振り向く私の前


やはり優しい、そして少しさびしげなシスターのお顔

それからそれからぎちりと巻かれた蔓の奥、うすらに見えるほの紅い亜依子さんの瞳

それに亜依子さんの口元にも戸惑いが漂う


「わたしがね、どうして人でなくなったのか

 それはいわないし、どうでも、もういいでしょう?

 それを聞いたら、あなたにもいろいろ迷惑がかかるだろうし」

「……」

「しばらく、そう私の身体がしっかりするまで

 ここにいても、そうおもったし

 ここで増えても、増やしてもそうも思ったけれどね

 だけど、情も移ってしまったし、だから……」


それだけ言いさして止まった独白

亜依子さんがそんなシスターに寄り添うと

シスターローゼを何かから庇おうとでもするように寄り添うと

わたしの中にまた、黒い、昏いものがみちてくる

腹立たしいことに、今はっきりと見えた


亜衣子さんの左胸は、左の乳房は

黒く綺麗につぼまった、あの、あの花があの薔薇が 

そうシスターが慈愛を注ぐレッドアイの蕾、そう巨大な蕾そのものになっていて

自分が誰の何なのかを誇らしげに語っていたのだから


「あ、あのレ、レッドアイは?」


何をとわたしも思ったけれど、ここで何かを言わずには


そう、せめて今…


「ああ、この花はね…そう、見た人を、花を見入ったその人を

 花が見返したその人を、花と契ったその人を

 亜依子さんのように、私のものに変える花、そう、そのための花なの…

 この前も5輪ほど、咲くはずだったの

 だけど…」

蔓に巻かれた亜依子さんだったモノの顔がわずかにうなだれる


そしてそのうつむいた口から

「ええ、わたしは、わたしは、レッドアイが咲くのを 最初、最初に見たくって

 シスターが大事にされるその花のほころびを独り占めにしたくって

 シスターローゼの大事にされる何か、何かを…

 それで、ね

 一人で見つめてしまったの

 それで…ごめんなさいね、わたしが一人選ばれて

 こうなったの

 わたしはわたしはだから罪びと、そうして私にはこの戒めが罰、そうなのよ…あ、くぅ」


ぎりりとかすかな音がして

亜衣子さんのどこかがまた締まったよう


だけど


そう だけど

亜衣子さんの口に漂う微笑には


罪や罰というにはあまりに


そうあまりになにか甘い、昏い甘さが匂って見えて


もう一度シスターが苦悶の表情を見せた亜依子さんをそっと抱こうとしたとき


だから、だからわたしは我慢できずにこういってしまった


「シスターローゼ、わたくしにもどうかレッドアイを咲かせて下さい」

「え?」

シスターの抱擁が止まり

ふたりの視線がわたしに注がれる


「そ、そうすれば、シスターは、あの、あの ここを離れなくても良いのでしょう?」


交わされる視線


そして


「本気なの?」かよってきた優しいお声


こくり


無言でうなずいたわたし


たとえ


そう、たとい

これでわたしが煉獄に下る

そうだとしても、わたしは後悔などしなかっただろう


何故なら何故なら


シスターが、シスターローゼが

さっき亜依子さんに見せたあの微笑


そうわたしを昏く染め上げたあの微笑よりもっともっと

そうわたしだけに向けられた柔らかな、優しい笑みを

よこしてくださったのだから


ちりちりちり


なにか不思議な気配が満ちた


はふり


シスターのウインプルに厚みとそして光沢が


そうあの時温室の地面を飾ったあのレッドアイのように

天鵞絨(びろうど)めいたあの艶やかな花弁のように、ウインプルが厚みと淡い光を帯びて


そうしてそれが上方に

くるくるきりりと

そう

花の開花の逆回しのように

シスターローゼのお顔を包んで薔薇のつぼみのようにつぼまると


見つめるわたしの視線の先


それが

巨大な薔薇の花弁がそろそろそろりと花開き元の位置へと戻されると

艶やかに流れる本来ならば短いはずの、修道女なら短いはずのおぐしがふぁさりと御肩に流れ落ち


そしてそうして

シスターの右目には

黒い、黒い黒いあの花が

そう右目の代わりに真紅の紅玉を花芯にすえた黒い薔薇が誇らしげに咲いていた


「そう、本気なのね

 ならわたしを、そう、わたしが咲かせるこの花を御覧なさい、花と契りを交わせたら

 貴女も罪に堕して上げる、そうわたし達と同じ罪に」


見返した黒くて昏いそして血よりも紅い黒い薔薇

レッドアイ、その名前の意味をやっと、やっとわたしも知る事が出来た

黒く昏く、血よりも紅い黒い花

それが私の視線を埋めて

とらえ捉えて、とらえ捕らえて交わって

ぴぃん

どこかで私の何かがはじけたそう思った次の瞬間


シスターの右目のレッドアイが色を失って

はらり ぱらりとその場に黒い花弁が散った


「あ!」


駆け寄ろうとするわたし


「大丈夫」わたしの手は亜依子さんにとどめられた


「ええ、大丈夫なのよ」


シスターローゼもわたしに微笑む

そうその右目には、また黒くて紅いあの花が誇らしげに咲いている


「貴女の心にもこれで薔薇が咲くのねぇ

 レッドアイの本当の花はね、脳のどこか

 心のどこか、そう深い深いところに咲くの

 いま、たったいま、貴女の中にあの薔薇が届いたのねぇ

 それがあなたの心を変えて

 それがあなたの身体も変えるの…」


そのあと、そのあとはもう


わたしたちは学院で過ごしていて、そしてそして…












くろ くり くろり

 みち みり きちり


 わたしは咎びと

   

 わたしは


くり くろ くろり

 きち きち くちり


 わたしは罪びと

   

 わたしは





わたしたちは


シスターのお庭で


 ひとつになって咲いている


                                  


         レッドアイ END


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お疲れ様でしたー。
こうしてg-thanさんのイラストをもとにSSを書かせていただくのもいくつになりましたやら。
g-thanさんの素敵なイラストに一歩でも二歩でも近づけているのでしょうか。
これからも素敵なイラストで妄想をさせていただければと思います。
ありがとうございました。

リンクをさせてくださってありがとうございます.
ブルログの間の交流がたくさん成り立ったらと思います.
今後ともよろしくお願いいたします.

舞方 様>今回はそのまま放置してると、いつ描きだすのか分からない
絵でしたので、私としてもいいきっかけになったと思います。
ベルクルド 様>こちらこそ有難うございます。洗脳・改造・悪堕ち仲間は多いほど心強いものです。

SS読ませていただきました。いいですね~、皆さん文章が上手くてうらやましいです。私もSS書きたいなって思いますが、こんなレベルの高い作品は私には書けないです…。

折尾 様>日頃お付き合いさせて頂いてるSS作家の皆様は
ホントうまくお話を紡がれる方ばかりで私も感謝しております。
プロフィール

g-than

Author:g-than

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